過日、お母様が当店のお得意様だった方の娘さんが、あっさりした訪問着がほしいとご来店下さいました。
その時おやぢの頭にお母様にお買い上げいただいた、水野博氏の飛び柄の小紋のような訪問着が頭に浮かびました。(記憶力は良い方ではないんですが、おやぢも好きな柄でたまたま思いだしてしまいました。)
ご実家にその訪問着があるはずだから見てみませんかと ご提案し、後日お持ちいただきました。
人間の記憶って不思議なものです。現物は記憶ほどではありませんでした(^_^;) が、やはり良い柄で、帯でなんとか今風にはなりそうでした。
よくお召しになったらしく、ところどころにシミがあり、胴裏は汗染みで黄変、表地も心持ちコシが弱くなっていました。
多少金額ははりますが、加賀の染織補正でシミはできるだけ抜いて退色、変色を補正し、家紋を入れ替え、洗い張り時には薄く糊を引いてもらい、胴裏は新しいものに替えて仕立て直しました。
洗い張り、仕立直しは何度となくやっているんですが、このとき洗い張り、染織補正技術の凄さを改めて再認識しました。
表生地は光沢を取り戻し、コシも戻り、地色はすっきりし、そう全体がスッキリしました。
譲られたお着物でお気に入りがありましたら、ぜひご一考下さい。絵羽物でしたら縫い込みがある場合が多いので大きくも仕立て直すことができる可能性大です。